201号室の、オオカミくん☆


放課後。


私と皇汰と光の三人で、何故かトランプをしていた。

スマホは既にゲームのし過ぎで充電中のため、仕方なくリンダの手品で使ったトランプを探しだし遊ぶ。


下校ギリギリまで待っているのは、リンダが直帰せずに学校に寄るように時間を調整しているのと、



――皇汰だ。


「さっき帰ろうとしたらさ、親父の車があったんだよ」

光の手札から一枚抜くと、舌打ちをする。

その舌打ちはババを引いたからじゃないよね?


「皇汰くん、じゃあ今は誰と生活してるの?」

「母さんの弟さんとこ。今は姉さんが空けたアパートにいるけど。
おじさん、弁護士だから親父に面会禁止の書類を送りつけたはずなのに」


溜め息を吐いた皇汰が手札を並べて私に差し出す。
ババがあるのかないのか読めない。
< 212 / 428 >

この作品をシェア

pagetop