201号室の、オオカミくん☆
私の叫びはスルーして二人は会話を続けている。
なかなか深刻な話なのに、皇汰はどうでもいいように話す。
――そこに皇汰が腹黒くなった要因があるのかもしれない。
「じゃあ皇汰くんはどうするの?」
光は時計を見上げて彼氏の迎えの時間を気にしている。こんな風にどうってことないような、天気の話をしてるぐらい軽く聞くから、話しやすいのかもしれないけど。
「呼びたくないけど、伯父さん今忙しいから、嫌な奴呼び出してる。今日は、結愛もこんな足だし」
「そうよね。こんな足だし」
ぷぷっと光に馬鹿にされたように笑われるのはしゃくだけど、本当の事だし仕方ない。
諦めてトランプをガッーと滅茶苦茶にしてやったら、二人は律儀に落ちたトランプを拾い出した。
クスクスと笑いながら。