201号室の、オオカミくん☆


私の叫びはスルーして二人は会話を続けている。
なかなか深刻な話なのに、皇汰はどうでもいいように話す。

――そこに皇汰が腹黒くなった要因があるのかもしれない。



「じゃあ皇汰くんはどうするの?」

光は時計を見上げて彼氏の迎えの時間を気にしている。こんな風にどうってことないような、天気の話をしてるぐらい軽く聞くから、話しやすいのかもしれないけど。



「呼びたくないけど、伯父さん今忙しいから、嫌な奴呼び出してる。今日は、結愛もこんな足だし」


「そうよね。こんな足だし」


ぷぷっと光に馬鹿にされたように笑われるのはしゃくだけど、本当の事だし仕方ない。


諦めてトランプをガッーと滅茶苦茶にしてやったら、二人は律儀に落ちたトランプを拾い出した。

クスクスと笑いながら。
< 214 / 428 >

この作品をシェア

pagetop