201号室の、オオカミくん☆
シャラン……


(あ)


シャラン……

二人は床のトランプを拾うのに夢中で気づいていない。
でも確かに鈴の音が聞こえてくる。


まだ葵はあの屋上に居るんだ。


「もー。結愛はすぐに怒るんだから」

「!」

二人が拾い終わったので慌ててドアを閉めた。


「何で閉めるの?」

「蜂っ 蜂が居た!」


誤魔化しながらも、二人に聴こえないか冷や冷やしていたら、今度は光の携帯が震えだした。


「迎えが来た」

光が窓の向こうを見て手を降る。


「ん。一人でうろうろして痴漢に見つかるのも嫌だし帰ろうかな」

二人が立ち上がるので、私もわざと松葉杖を大きな音を立てて歩き出す。

くそう。リンダはまだかな。リンダ。
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