201号室の、オオカミくん☆
そして学年主任が教室を1つずつ探し始めたので仕方なくリンダは諦めて、裏門から帰る事にした。
皇汰が誰かと連絡していたから、裏門の校舎の影に隠れていたらすぐに車が迎えに来た。
「あ、葉瀬川さん?」
この前の黒塗りベンツだったので、そう決めかかって近づくと、運転席の窓が開いた。
「早く乗れ」
煙草を咥えた顎に無精髭を生やした、はっきりした顔立ちで、日本男児といった雰囲気のイケメンが不機嫌そうに皇汰に言う。
葉瀬川さん、じゃない。
「誰?」
「……姉ちゃんの彼氏」
皇汰も不機嫌そうに車のドアを開けて、私に入るように促した。
「お邪魔します……」
「ああ」
煙草を灰皿に押し付けながら素っ気なくそう言われた。