201号室の、オオカミくん☆





花忘荘に到着すると、すぐにリヒトさんとトールさんが飛び出してきた。


「大丈夫だった?」

「嗚呼、綺麗な足が……」


既に岸六田先生から話が伝わっているらしい。

二人の悲痛な顔に、皇汰が笑っているのだけは腹が立つ。


「じゃあ集合。皆、俺の部屋に集合。そうだな鍋でも食べながら」

そう言うと、自称鍋奉行臭いドラガンさんと葉瀬川さんの目が光ったのを私は見逃さなかった。




ドラガンさんリクエストのちゃんこ鍋は、鶏肉と昆布だしが効いた美味しい鍋で、椎茸や野菜の出汁もよく出ていた。


私はリヒトさんとトールさんに挟まれて、ただただ皇汰が言う作戦を聞いていた。



「それって結愛ちゃんを囮にするの?」

「女の子を危険に晒す作戦なんて馬鹿じゃない?」


その作戦に二人はやはり猛反対だった。
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