201号室の、オオカミくん☆
「じゃあお主たちは悪党を成敗する正義の将軍になりたくないのか!」
ドラガンさんが鼻息を荒らげているのは、多分印籠を出す時代劇や暴れまわる桜吹雪の影響だと思う。
「ふーん。まぁ漫画ではそう上手くいかないよねー……」
葉瀬川さんは目線は見ている週刊少年スキップを離さないままだったが、一応は聞いているらしい。
「俺がヘマすると思う?」
「ヘマとかヘチマとかじゃないよ」
「反対なのは結愛ちゃんを囮にする事!」
「私は別に良いですよ」
鍋から豆腐を取り出しながら、そう言う。
柚子ぽんをかけて食べると天国に登れそうなぐらい美味しい。熱いけど。
そんな私を皆がじっと見ている。
どうやら私の判断に委ねるらしい。