201号室の、オオカミくん☆


メッセージを送信して、携帯の待ち受け画面を落とした。


「……?」


真っ暗にした画面が私の後ろを映す。



誰か……いる?


パーカーを深く被った男が木の影から此方を見ている。

携帯の画面からはそれしか分からない。


まさか職員室のすぐそばに不審者が現れると思わずに、思考が止まる。



それに。

学年主任は皇汰たちが見張っているんだから。


犯人は主任じゃなかった?



皇汰なら気づいてくれると思ってワンギリした。


後ろの男は私を見ているのか、私を狙っているのか。



携帯の画面を落として確認しようとしたら、パーカーの男はすぐ後ろまで来ていた。



「誰?」


振り向かないまま聞いてみた。
< 228 / 428 >

この作品をシェア

pagetop