201号室の、オオカミくん☆
「親だって人間だから腐ったまま大人になる奴もいるよ」

ケッと吐き捨てるような悟った表情の皇汰。

「いるいる。だから俺は家に帰りたくないんだよねー」

軽く世間話みたいな他人事のように薄っぺらい葵。


二人はまた顔を見合わせた。



「お前が『葵』?」

「あれー? なんで皇汰くんが俺の事知ってるの? なんでー?」


私を見て首を傾げる葵になんと説明しようか悩む。
長い話になりそうだしなー。うーん。



「葉瀬川さんと私と皇汰は同じアパートだから。葉瀬川さんがこの前探しに来たし」

「お前は何で俺の名前を?」

「だって生徒会長だったじゃん」

葵はそれだけを言うと、笑う。

それ以上は尋ねさせないような不思議な笑みを浮かべて。
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