201号室の、オオカミくん☆
「駄目だ。君は夢中になると水さえ飲まないんだから」
「心配しすぎだってばー」
「桐原さん。悪いんだけど……」
リンダは私にチャリンと音を立てて鍵を差し出してきた。
「先生の職員室の机の一番下の引き出しの鍵です」
「私が貰っても困るんだけど?」
「10キロの高級米が入ってるんです……」
学校に米を持ってくるな!と思いつつも、お米いいなー……。
お金無いからパンばっか食べてるよ。
「桐原さんも食べていいから、お願いします。葵くんにオニギリ作って下さい」
「ええ!? 私が!?」
「頼みましたよ」
リンダはそう言うと重い体をしゅるしゅると器用に素早く降りて行った。
「わーい。わーい。結愛の手作りオニギリかー」