201号室の、オオカミくん☆
「林田先生が出張って、保護者に話伝わるかな?」


「まぁ多分」


「うちの親がでしゃばらないと良いけどー」


色が上手く出なかったのかパレットを放り出すと、そのままコロコロと一緒に屋上を転がり出した。


なんとなく釣られて私も転がる。


葵はそんなに多くは語らないけど、気分は沈んでしまっていて。

子どもみたいに落ち着かなかった。



この前のjrも手は使わず蹴っていたし。


多分、絵を描くためだけに自分の手や体は出来ているんだと思っているぐらい。


他には関心は向けられないんだと思う。



「……俺、結愛と家族になりたかった」


この男まで何を言い出すんだか。

それでも否定はしなかった。

ただ隣で一緒に転がった。
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