201号室の、オオカミくん☆

「どこ行ってた?」

教室に戻ると仁王立ちの皇汰が待ち構えていた。


「トイレ」

返答しにくいだろう答えをしたら睨まれる。


「そろそろ俺にも屋上への道、教えろよ」


「わ、若社長なら知ってるかもよ」


冗談っぽくそう言うと、また睨まれた。

こそこそと皇汰の前を通り抜けて光が待つ隣に座ると、くいくい肘でつつかれる。


「上手くいってるじゃん」


「どこが?」


「楠木くんって意外と独占欲が強い俺様なんだね」


それは確かに。
自分を追いかけてきた私が秘密を持ってるのが面白くないなんて。

ちょっと子どもっぽすぎる。

自分は岸六田先生が好きなくせに。

好きでもない私まで所有物扱いとは。
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