201号室の、オオカミくん☆
「帰りますよ」
「うわー……。やっぱそう言うか」
「勉学に支障を来らすなら即刻一人暮らしは解除です」
駄目だ。お婆ちゃんの瞳は本気だ。
頑固なお婆ちゃんはこうなったら何をしても覆さない。
「桐原のおばさま、これには訳が有るんです」
慌てて岸六田先生も弁解するけど、お婆ちゃんの表情は変わらない。
「ありがとうございます、岸六田先生。後はちゃんと私がお話しますんで大丈夫ですよ」
あはは、と明るく笑っておいた。
「話は、後でしましょう。はやく教室に戻りなさい」
お婆ちゃんにそう言われたら何も言えるはずもなく。
「お昼休みに談話室に時間を頂いたから」
逃げられない。
寄り道しすぎて何もかも上手くいかない。