201号室の、オオカミくん☆
痛みは後から来る。
風と共に音が鳴る。
その後に、――痛みが走る。全身を駆け巡る。
殴られたと気づくまでに、数秒かかってしまった。
お婆ちゃんには、花忘荘に侵入したい訳は正直に伝えた。
『学校に来なくなった皇汰を更生させたい』
と。
でももう皇汰は学校に戻ってきている。
更生も何もあれはただのパフォーマンスだっただけ。
私が花忘荘に居る理由は、無くなった。
『好きな人のそばに居たいから』
そんな理由を、お婆ちゃんの目を見て真っ直ぐに言える気はしない。
迷いがあるから……きっと言えない。
そんな私に、お婆ちゃんはただ帰るように言ってきた。
だから私は、――これだけは言う。