201号室の、オオカミくん☆
「孔礼寺のお祭りまでは居させて下さい。
見たい……見届けたい事があるから」
これだけは真っ直ぐに見つめて言える。
皇汰と岸六田先生の恋の行方と。
葵の舞。
これだけは見たい。
ちゃんとそばで見たい。
確かに学校に行けば会えるんだけど。
私は、ただ自分の気持ちは何一つ誰にも伝えてないから。
だから。
「分かりました」
お婆ちゃんは静かに頷く。
だから私も覚悟を決めたんだ。