201号室の、オオカミくん☆
結局、私は普通に授業を受けたけど、皇汰も葵もリンダさえも戻って来なかった。
皇汰と帰らない帰り道は久しぶりで。
長くて遠くて退屈な道だった。
なのに。
「おかえり」
「――よう」
「…………」
私の目がおかしくなかったら、世界がおかしくなったのか。
ここ、私の部屋だよね?
わざわざ飛び出して表札を確認したら101号室だった。間違えてない。
二人――葵と皇汰は、何故か私の部屋で、段ボールいっぱいに入った漫画を紙ヤスリで磨いている。
人の家で何をしてるんだよ!
「前に言ってた、俺と結愛にしかできないバイト。葉瀬川さんの古本屋で見つけた漫画をな、紙ヤスリで綺麗にするバイト」
「私と皇汰にしかって、葵もしてるじゃん」