201号室の、オオカミくん☆

てか、私の部屋に二人が居るのってシュール……。

「って葵!」

「んー?」

「手、手見せて!」

靴もカバンも放り投げて、葵の右手を引っ張った。

綺麗な白い指先には、傷は見当たらない。


「……良かった」

「あはは。大丈夫だよー。グーパーできるし」

手を広げたり握ったり、ちょっと不思議な雰囲気なのは相変わらずだ。


「話し合いはどうなったの?」


今度は皇汰の方を向く。

皇汰は得意気にVサインをした。


「来週から同じクラス」

「えー!? 誰が!?」

「俺、俺ー。でもコンクール近いから、多分ちょくちょく抜けるよ」

葵が同じクラス……。

葵が机に座ってる姿が想像できない。


「どんな話し合いしたのよ」
< 280 / 428 >

この作品をシェア

pagetop