201号室の、オオカミくん☆

私はこの149センチしかない小さな身長が大嫌いで、可愛いと馬鹿にされたくなくて、我ながら勝ち気でひねくれた性格になった気がする。



生徒会に入って初日。

高いところにあった資料が届かなくて。

でも誰かに頼るのはプライドが許せなくて。


ぴょんぴょん跳び跳ねても届かないのが段々と苛々していた。




『おーい。大丈夫かー?』

本棚の向こうからひょいっと現れたのは同じく生徒会長になって初日の楠木皇汰(くすのき こうた)。


資料が高い位置にあると知り、心配になって見に来てくれたらしい。


『げ』


『げ?』


私が本棚の三段目まで上っている所を見て、楠木皇汰は目を真ん丸にした。





ヤバい。

成績優秀 眉目秀麗 バスケ部部長に生徒会長。

完璧すぎる憧れの君だった楠木皇汰に見られた。



『大丈夫。もう取れた』


そうへらりと笑うと、皇汰は下を向いて笑いだした。
< 3 / 428 >

この作品をシェア

pagetop