201号室の、オオカミくん☆

「でも葵がトランプした事ないとか言うし」

「ルールは全部知ってるからババ抜きしよー」


ルールは全部知ってるのにやった事ないなんて。

葵はすぐ人の良心を抉ってくるからズルい。

しかたなく部屋を出ていこうとしない二人とトランプをした。

どうせ一人になって色々考えても、じとじと女々しい事しか考えないし。


が、前回の光と皇汰とした時に私は分かった。



――頭がいい人とやっても、私は百パーセント負けてしまうんだと。


「よし、『ぶたのしっぽ』するから」


「ぶたのしっぽ?」


私がトランプを裏側にしたまま、丸く置いていくのを葵が見つめる。
最後にくるりんとぶたのしっぽ見たいに丸から尻尾をはみ出させた。


「仕方ないな」

皇汰も腕捲りする。
< 302 / 428 >

この作品をシェア

pagetop