201号室の、オオカミくん☆
何回やっても負けてしまう。
ババ抜き、七並べ、神経衰弱、大富豪、スピード、戦争。
カルタに花札に、人生ゲーム。
部屋中散らかる中、私は寝転んで色々と諦めた。
やっぱハンデあっても勝てやしないとは。
悔しくて皇汰を枕でビシビシと殴りながら、葵も枕を投げる。
でも、葵は本当に楽しそうな真っすぐな笑顔を此方に向けるから、なんとなく何も言えなくなった。
楽しんでいるなら、ま、いいか。
そう思えるぐらいには私もこの空気に慣れてしまっていた。
同じ屋根の下、私と皇汰と葵。
けれど私たちの距離はバレバレで測定不能。
一緒に寝転びながら、窓からチカチカ光る星を眺めても、何だか遠くに感じられた。
でも、それが心地良いとさえ思ってしまう、不安定な関係。