201号室の、オオカミくん☆
「皇汰、連れ去られちゃった……」
たこ焼きパンの買う時間になっても皇汰が現れず、仕方なく骨折した親指のまま、パンの買う波に突撃しようとした時だった。
「よし。その話はたこ焼きパンの後だね」
「え?」
「二人で突撃っ」
話もそこそこに家庭科室へ乗り込んだ。
家庭科室はまだそこまで人が溢れてはいなかったので、シュルシュルと隙間を狙い、たこ焼きパンを無事にゲットした。
一応皇汰の分に違うパンも何個かゲットする。
「結愛、俺これしか取れなかった―」
しょぼんとした葵がパンを1つひらひらさせる。
「それ! たこ焼きパンの次にレアなカレーパンだから!」
持ってる奴は本当に持ってやがる。
難なくもう1つのコロッケパンもゲットした。
「でね、学校に着いたら皇汰が連れ去られちゃったんだよー」