201号室の、オオカミくん☆
渡り廊下でゲットしたパンを振り回しながら首を傾げる。
「どんな人?」
「んー。眼鏡かけて偉そうで、しかめっ面のオジサン」
「……誰だろう?」
「一緒に職員室入っていったけど」
「すみません!」
私たちの背中から大声を張り上げられ、振り返る。
「職員室はどこでしょうか?」
きっちり七三分けにしたスーツの真面目そうな人が、いつの間にか背後に立っていた。
鼻が高くて彫りが深いから外人かと思ったけど、七三分けが妙にミスマッチだ。
「今から行くから案内しますよ?」
「ありがとうございます。ちょっと急ぎますのでお願いします」
そう畏まるイケメンなお兄さんに、葵が呟く。
「弁護士バッジだ」