201号室の、オオカミくん☆


「食べていいの?」

「カレーパン一口くれたらね」

葵は嬉しいのかいそいそと半分個してくれた。


「まぁ人それぞれだよな。結愛はお婆さんに育てられて幸せそうだし」


「意思が通じる人が家庭に居るっていいよね。俺は林田先生に会うまで居なかったしー」



「……本当にあんたら苦労してるよね」


これには二人は顔を見合わせて笑うしかないみたいだ。


でも、私は苦労した二人が好きだ。

苦労したからこそ裏表ができちゃった皇汰も、

苦労しても純粋なままの葵も。



「やば。たこ焼きパン美味しい!」


幸せそうに笑ってくれるから。

乗り越えて頑張ろうとしているから。



「はのふぁ、ふぉっふぉだふぇえを」

「飲み込んでから喋って?」
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