201号室の、オオカミくん☆
『貴方がお願いする時は、大体誰かの為でしょう』
昨日殴られた時、おばあちゃんにそう言われた。
でも違う。
書道を辞めたのはお母さんの為に身長を伸ばしたいから。
花忘荘に入居したかったのは、金髪になって学校に来なくなった皇汰を更生させたかったから。
そして今。
本家に直談判したいのは、葵を窮屈な世界に閉じ込めようとしているのかだ。
全部、全部空回っただけの私の我が儘だよ。
誰かの為じゃないよ。
そうおばあちゃんと皇汰に説明したいのに上手い言葉が出てこないだけ。
「まぁアイツなら祭り当日に時間取ってやるよ」
その後、少し不満げに付け足される。
「ムカつく奴だけど、話はちゃんと通じるから」