201号室の、オオカミくん☆
二人はあのシンデレラの階段を降りていく。
行かないで。
行かないで。
自分のバカさ加減に、顔を上げられない。
折角の葵の舞なのに。
「結愛!」
名前を呼ばれて顔を上げると、神楽殿から葵から舞い降りてきた。
「追いかけるよ!」
ふわりと葵に担がれると私を担いだまま、葵は走り出す。
「葵、舞は?」
「終わらせた」
「終わらせたって」
「今は結愛の方が大事だから」
そう言って走り抜ける葵の足は裸足だった。
最初から裸足のシンデレラが階段を下りたら、誰が探せるんだろう、とか思ったりしながらも。
優しい葵に担がれながら泣いた。
声をあげて泣いた。
階段の途中に猿のお面が落ちていて、追い付くのは無理なんだと分かってしまう。
行かないで。
行かないで。
自分のバカさ加減に、顔を上げられない。
折角の葵の舞なのに。
「結愛!」
名前を呼ばれて顔を上げると、神楽殿から葵から舞い降りてきた。
「追いかけるよ!」
ふわりと葵に担がれると私を担いだまま、葵は走り出す。
「葵、舞は?」
「終わらせた」
「終わらせたって」
「今は結愛の方が大事だから」
そう言って走り抜ける葵の足は裸足だった。
最初から裸足のシンデレラが階段を下りたら、誰が探せるんだろう、とか思ったりしながらも。
優しい葵に担がれながら泣いた。
声をあげて泣いた。
階段の途中に猿のお面が落ちていて、追い付くのは無理なんだと分かってしまう。