201号室の、オオカミくん☆
そっと目に手が重なって、まぶたを閉じさせられた。
すぐ側に葵の吐息を感じたと思ったら、
――ゆっくりと唇が重なった。
啄むような優しい唇は暖かくて、カサカサしていて。
それが葵だと思うと嫌だなんて思わなかった。
「――好き。好きだよ、結愛」
抱き締められた懐の中は、葵の匂いで溢れていて。
幸せだと思ってしまった。
皇汰に自分から好きだと言うのに迷いがあって、カンガン押していけなくて、――寄り道ばかりしていた。
迷いがあったのは、あの日。
屋上で葵と会ってしまったからだ。
そんな事、私はとっくに理解していたくせに。
すぐ側に葵の吐息を感じたと思ったら、
――ゆっくりと唇が重なった。
啄むような優しい唇は暖かくて、カサカサしていて。
それが葵だと思うと嫌だなんて思わなかった。
「――好き。好きだよ、結愛」
抱き締められた懐の中は、葵の匂いで溢れていて。
幸せだと思ってしまった。
皇汰に自分から好きだと言うのに迷いがあって、カンガン押していけなくて、――寄り道ばかりしていた。
迷いがあったのは、あの日。
屋上で葵と会ってしまったからだ。
そんな事、私はとっくに理解していたくせに。