201号室の、オオカミくん☆


「結愛……?」

葵も驚いてきょとんとしているけど、私は岳理さんの目を真っ直ぐ見上げた。


「分家の劣等感を拭わなきゃ、葵が自由にならない。そんな一番上で胡座かいてたら、葵たちの不満なんて聞こえてこないんだから!」


疎らに、階段にも人が降りてくる。

子どもたちの太鼓が終わったらしく、次々と子どもたちが岳理さんに手を振り、保護者もお礼に頭を下げていく。


……太鼓の回りで踊ったらお菓子が貰えたのに。

子どもたちが手にしてるお菓子の詰め合わせが羨ましかった。


「あー。此処じゃゆっくり話せないから、家に来てくれる?」

「着替えなきゃだから行きますよ」

ただお婆ちゃんが待ってるから早く帰らなきゃいけないけど。
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