201号室の、オオカミくん☆
「変な奴等が多いから、困ったら俺に言って」
アパート前につくと、自転車を止めて荷物も持ってくれた。
「うん。ありがとう」
にっこり笑ってそう伝えると、皇汰も嬉しそうに目を細めた。
そんな控えめな笑顔も好き。
「あ、パンツは?」
防犯に欲しいなってお願いすると、皇汰は頭を掻いた。
「パンツ干して防犯しなくても危なくないように、俺がそばに居るってのは駄目?」
「なにそれ、プロポーズ?」
一瞬告られたのかと勘違いしてしまいそうになった。
すぐに気づいておちゃらけてみたけど。
「ばーか。何かあれば飛んでいくって意味だよ」
えいっとデコピンされた後、髪をくしゃくしゃにされた。
それでも皇汰のちょっと幼い笑顔を見たら、不満なんてぶっ飛んだ。
きっと皇汰なら何かあれば本当に飛んできてくれる。
そんな真っ直ぐな笑顔だった。