201号室の、オオカミくん☆
火傷みたいに、熱く水膨れになって破れてぐずぐずと私の心に広がっていく。
優しく心が溶かされるような。
――優しい葵の甘い笑顔に身体中が満たされていく。
吸い込まれていく。
「好き。――明日は起こしてね」
「葵!」
窓から離れていく葵に叫ぶ。
気づけば服を掴んでいた。
「――ん?」
「あ、お休みなさい……」
切なくなる。
なんでこんなに切なくて泣きそうになるんだろう。
キスしても、
抱き締められても、
まだ足りない。
満たされないぐらい切ない。
この気持ちは皇汰とは違う。
キスしたら流れ込んできたこの気持ちの。
この気持ちの名前を教えて。
「うん。お休みなさい」