201号室の、オオカミくん☆
私から去っていくのに。
胸が締め付けられる。
皇汰の隣にいて楽しくて暖かくなる気持ちとは違う。
皇汰とはキス、したくないって思った。
キスして隣にいるのが苦しくなるのは嫌だって思った。
――お休みなさい。
いつまでもいつまでも葵の笑顔が私の心に貼り付いて離れなかった。
だから、家に着いた時涙が溢れた。
「桐原女子……」
「ありがとうございました、葉瀬川さん。皆にもよろしく御伝え下さい」
にっこり笑ったのに、涙が溢れて溢れて。
葉瀬川さんが頭を撫でてくれた。
私と皇汰と葵の同居は……あっけなく終わってしまったんだ。