201号室の、オオカミくん☆



「岸六田先生……」


びっくりした。

予想外な人だったせいでちょっと肩の力が抜けた。

学校でのスーツとは違い、髪を下ろし、セーター生地の赤いワンピースに赤いビー玉みたいな大きなピアス。

可愛いくて、ちょっと悔しかった。



昨日。

昨日、皇汰とは何があったのかとか皇汰はどうなったのかが気になっていた。


「皆が号泣してね、もうすぐ此処に乗り込んで来そうよ」

「皆……?」

「リヒトくんとトールくんにドラガンさんが葉瀬川さんの車に乗り込んでたわね」

「意外……」

そう言うと岸六田先生は私の鼻をちょんっとつついた。

「やっと今から仲良くなれるって時に、つれないわね。皆が可哀想よ」

キョロキョロ辺りを見回しながらそう言う。
< 366 / 428 >

この作品をシェア

pagetop