201号室の、オオカミくん☆

「足の指を骨折したのも、クラスメイトの悲鳴を聞き付けてです」

「――貴方は考えが無さすぎます」

お婆ちゃんが呆れたように溜め息を吐く。




「誰かの為の我が儘は、貴方の我が儘とは違います。貴方の正直な気持ちを言いなさい。結愛」


そう言われて、皆の視線が私に集中する。


玄関の扉前で、リヒトさんやトールさん、ドラガンさんがお弟子さん達からホウキや薙刀を奪い私の方を心配げに見ている。



「貴方が言わないから、心配して来てくれたんでしょ? いい迷惑ですが」

お婆ちゃんの毒が吐き出されるのを苦笑しつつ、私も正直にぶつかる。




「まだ花忘荘に居たい。まだ皆と笑い合いたい」

私の発言に、皆が笑顔になった。お婆ちゃん以外。
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