201号室の、オオカミくん☆
「守るの? ――守れますよね?」
「け、経験がない私じゃ守るも守らないもなにもできないかと」
「よろしい」
にっこり笑ったお婆ちゃんは、玄関にいる花忘荘の皆を見た後、葵と皇汰を交互に見る。
「なかなか骨がある人たちですね。楽しみにしています」
にっこりと釘を刺された皇汰と葵は苦笑しかしなかった。
「じゃあ荷物、運び出そうか」
門の方から困り顔の葉瀬川さんがひょいっと現れた。
「ごめんー。週刊少年スキップ最新刊探してコンビニ走り回ってたらレッカーにベンツが持って行かれちゃった」
「「「えー」」」
「まぁ岳リンに取りに行かせるけど、歩いて帰るー?」
「仕方ないよね」
皆がわいわいと騒ぐ中、皇汰に腕を引っ張られ、葵を掴んでた手を離してしまった。