201号室の、オオカミくん☆
興奮した光は葵をじっと見ている。
そうだよね。 葵は確かに中性的な綺麗さがある。
ちょっと不思議で、親に押し付けられてきただけで。
――すぐ人気者になりそうな。
クラスの皆に囲まれる葵と皇汰の輪に、入る気もなれなくて遠巻きに見ていた。
「好きな食べ物はおにぎりっ」
「やだ可愛いー」
クスクスと笑われても葵は優しく笑う。
「――本当だよ。大好き」
キャー
倒れそうな女子達の悲鳴の中、私に言われたわけじゃないのに……何だかドキドキした。
「天然は質悪いわー」
皇汰の苦笑いに私も心の中で同意した。
クラスを二分しそうな葵の人気は授業でも変わらずに。
天才児の葵と学年首位の皇汰。
この二人の一騎討ちだった。