201号室の、オオカミくん☆

古文も漢文もすらすら訳し、英語は皇汰と二人で英会話を聞いているような気分。


はっきり言って、二人のレベルに着いていけない私は、空を見上げながらシャーペンを回す事しかできなかった。

「はーい。寄せ書きお願いしますねー」

リンダが昼休み前に真っ白な熊のぬいぐるみを持ってきた。

これにメッセージを書き込むらしい。


今日で実習が最後の岸六田先生の為に。


「貧乳にしてやろうぜ」

「光!」


メッセージくまの胸元に『A』と描いて爆笑するので私は谷間を書いてやる。

メッセージは普通の当たり障りない文にしたけれど。



「あ、今日の調理実習のクッキーを先生にあげよっか」

「調理実習……?」

初めて聞くその名前に、目が点になる。
< 388 / 428 >

この作品をシェア

pagetop