201号室の、オオカミくん☆
古文も漢文もすらすら訳し、英語は皇汰と二人で英会話を聞いているような気分。
はっきり言って、二人のレベルに着いていけない私は、空を見上げながらシャーペンを回す事しかできなかった。
「はーい。寄せ書きお願いしますねー」
リンダが昼休み前に真っ白な熊のぬいぐるみを持ってきた。
これにメッセージを書き込むらしい。
今日で実習が最後の岸六田先生の為に。
「貧乳にしてやろうぜ」
「光!」
メッセージくまの胸元に『A』と描いて爆笑するので私は谷間を書いてやる。
メッセージは普通の当たり障りない文にしたけれど。
「あ、今日の調理実習のクッキーを先生にあげよっか」
「調理実習……?」
初めて聞くその名前に、目が点になる。