201号室の、オオカミくん☆

「2年の調理実習で余った材料を使いきるって話あったのよ。――あんたが病院行ってる時に」

「病院行ってる時なら聞いてないじゃんが!!」


エプロンなんて持ってない。

忘れ物扱いになるのはまだ良いけど、小学生の給食エプロンみたいな白いダサいあれなんだよなー……。



「えー? クッキー作るの? エプロン? 俺持ってないよー」


時同じくして慌ててる声を耳にし、ホッとした先には――葵。


「俺、予備借りれた」

皇汰は上手く乗り切れたらしく、私と葵だけか。


「出席番号順五人グループだから、葵は多分一番最後のグループとかもだけど」

皇汰は少し考えてからちょっとだけ上を見上げた。


「俺のグループでやれるよーに掛合ってやるよ」


ちょい待て。色々待って。

『楠木(くすのき)』と『桐原(きりはら)』だから私ら同じグループだよね?

葵も?
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