201号室の、オオカミくん☆
「おい、結愛」
クッキーをお皿に移して持ってきた皇汰は苦笑いしていた。
「欲張って詰め込み過ぎ」
私が並べた(敷き詰めたと言っても過言ではない)クッキーは、所々くっついていて、折紙を切って開いた繋ぎ絵みたい。
ハートが膨らんで歪になってたり固まってたり。
綺麗なハートがない辺り、今の私みたいだ。
「あー。結愛の面白いね」
お盆にクッキーを並べ終えた葵たちが持っていく。
綺麗な花びらや切り込みを入れて立体的なクッキーを。
「後で交換しようねー」
ヒラヒラ手を振りながら、班の女の子二人とオーブンの方へ向かっていく。
「俺のはスカスカだから問題無かったな」
サクッと音を立てて食べた皇汰は少し得意気だった。