201号室の、オオカミくん☆


゛If there were dreams to sell, what would you buy?゛


葵には訳は書いていない。皇汰や葵レベルには分かるんだろうな。


「もし夢を売っていたら、あなたはどんな夢を買 いますか?ってさ。素敵だよね」

「ほー」

「夢は落ちてくるものなのに。眺めてないで、近づいたらさ」


へへ、と笑うと葵は私を手招きする。

「もうちょっと近くに来てよ。モデルさせて」


「は?」


「コンクール用の絵は終わったからさ、結愛描かせて」

クッキーを袋に戻すと、鉛筆を私に向けてパーツのバランスを見出した。


「人物を描くのは林田先生以外初めてだよ」

「……それ喜んでいいの?」
< 400 / 428 >

この作品をシェア

pagetop