201号室の、オオカミくん☆
゛If there were dreams to sell, what would you buy?゛
葵には訳は書いていない。皇汰や葵レベルには分かるんだろうな。
「もし夢を売っていたら、あなたはどんな夢を買 いますか?ってさ。素敵だよね」
「ほー」
「夢は落ちてくるものなのに。眺めてないで、近づいたらさ」
へへ、と笑うと葵は私を手招きする。
「もうちょっと近くに来てよ。モデルさせて」
「は?」
「コンクール用の絵は終わったからさ、結愛描かせて」
クッキーを袋に戻すと、鉛筆を私に向けてパーツのバランスを見出した。
「人物を描くのは林田先生以外初めてだよ」
「……それ喜んでいいの?」