201号室の、オオカミくん☆
掴めない皇汰の心が欲しい。
あの笑顔を独り占めしたい。
格好つけてる皇汰なんて嫌い。
子供っぽい皇汰、大人を黙らせる皇汰。
金髪だって本当は似合ってたんだから。
ドサリ
「……あ」
「!?」
私たちが慌てて体を離すと、花忘荘の門の前でクッキーを落とす葵の姿があった。
「葵!」
「あは、邪魔してごめん」
立ち尽くす葵は今にも泣き出しそうな笑顔で。
「待つのじゃ! お主は誤解をっ」
「「葵くん、中で先生と葉瀬川さんが話してる内容は本当!?」」
何故か私が聞きたい内容を全部3人が聞いてしまった。
葵は落ちたクッキーの袋を拾い上げると、パンパンと砂を落とす。
「んー……。ギフテットの話なら本当だよ。OKした」
「葵っ」