201号室の、オオカミくん☆
私はそのまま立ち上がり、土手の下の葵まで全力疾走。
そのまま飛び付いて抱きついた。
「そうだね。これから長い年月一緒に居るなら留学ぐらい」
「留学? 何それ」
私の髪を弄りながら、葵は不思議そうな顔をする。
そんな惚けても、さっきはOKしたって言ってたもん。
「葵は海外の方が高い奨学金貰えるんでしょ?」
「あーっと、あれね、林田先生のあの話は留学じゃないよ」
けろっと答えると葵は笑う。
「来年からうちの高校に特別奨学金制度を設けてね、俺と同じ天才児を集めた『特進科』を設立するんだって。今日、葉瀬川さんにも協力頼むって言ってた」
「もう家からは自由になったんだし、絵なら結愛の隣で描けるだろ?」