201号室の、オオカミくん☆
シャラン……
鈴の音が響く校舎のカーテンがなびく。
カーテンが生きているかのように弾む中、私も渡り廊下目掛けて走り出す。
渡り廊下に伸びる影や、校舎から聞こえるざわめき。
そんな当たり前の日常も、何故だかキラキラ光だす。
君の隣に居ると、世界が綺麗に見えるんだ。
だから。
だから皇汰は岸六田先生の隣に居たかったのかもしれない。
岸六田先生も、お兄さんの隣に。
今なら分かる。胸が痛いぐらいに分かる。
――皇汰はあれ以来、すっかり先生を諦めたのが分かる。
悲しいけど、前を向いて歩いてる皇汰の背中を私は応援していたい。
孔礼寺だってそうだ。
変革の時だと、葉瀬川さんと岳リンさんが頑張っている。
それが落ち着くまでは。――いや落ち着いてからも葵はあの檻の中には戻らないだろう。