201号室の、オオカミくん☆
「大丈夫。接吻までしか……しないといいなって思ってるから」
「思ってるだけだろ! ば」
馬鹿ー……と言おうとして唇を塞がれた。
葵のこんな甘え上手な所は嫌いではない。
ぎゅっと胸がしめつけられる。
大好きだって思ってしまうんだ。
本当に葵と、しわくちゃのお爺ちゃん、お婆ちゃんになっても一緒に居たい。
一緒に笑い合いたいな。
そんな気持ちにさせてくれる、ひだまりみたいな君。
「――好きだよ。結愛」
甘く語尾を滲ませてそう言われると、心を鷲掴みにされた私は麻痺して動けなくて。
葵に蕩けさせられていたら、カンカンと梯子の音がする。
「お邪魔するよ」
「皇汰っ」
飄々と上がってきた皇汰は、頭を掻きながら溜め息を吐いた。
「俺、誰かのモノになった奴に惹かれるのかな」
「はい?」
「やっぱ結愛、好きだわ」