201号室の、オオカミくん☆
「皇汰って不倫を楽しむタイプ? 幸せになんないよー」
葵がそう言うと、皇汰も苦い顔をする。
「まぁ、そうかもな」
そう言うと、私の右手を掴み、唇を寄せた。
「だから、俺に心変わり――いや、俺に戻って来いよ。結愛」
「ばっ 馬鹿な事言わないでよ! ばっ」
「じゃあ、……振り向かせちゃうかな」
そう皇汰は悪魔のような、それでいて極上な笑顔を浮かべた。
……こいつ。私たちを引っ掻き回して遊ぶ気だな。
「うーん。まぁ譲らないし心変わりしないけどね。結愛は」
葵はそう笑うと、私の頬に口づけを落とす。