201号室の、オオカミくん☆

「放課後、どう時間を潰せばいいんだよー」


「憧れだった皇汰くんと一緒に帰れるだけで満足しなさいよ」


マヨネーズの味を噛み締めながらパンを味わいつつ、皇汰の方をチラ見してしまう。


「私は、ちょっと皇汰くん苦手だけどね。完璧すぎて隙がない感じ」


光の声と共に、男共に囲まれている皇汰を見てしまう。

やっぱり甘いパンばかりなのをからかわれ、卵焼きやら唐揚げやらを分けてもらい笑う皇汰を。


確かに完璧だったし。
生徒会の時は格好良かった。


学祭で衛生面の問題から、飲食系の出し物は禁止になったのを、先生と徹底抗戦し無事に許可をむしりとった。


バスケ部だって、お勉強校だと馬鹿にされて負けっぱなしだった部が中体連で準優勝した。


――話題の中心には常に皇汰がいた気がする。


「そんな王子さまが何であんな髪の毛にしたんだが」


たださえ真面目な奴等しかいないから皇汰は更に目立つ。
< 44 / 428 >

この作品をシェア

pagetop