201号室の、オオカミくん☆
「駄目だよ。触ったら! すごく有名な賞に入賞したのばかりなんだから」
「へー」
まぁ私には何が良いのかよく分からないから良いけど。
先生がペンキを倉庫みたいな場所に片付けてるのを椅子に座り足をぷらぷらしながら眺める。
「先生さ、屋上に行ける隠し通路とか知ってる?」
「え?」
先生が聞き返した後に、呼び出しが鳴る。
『林田先生。林田先生。至急職員室にお戻り下さい』
「あああ。桐原、ここ頼んでいいかな? 多分皇汰くんだ」
「いいよ。解決してたら皇汰に私が美術室にいるって伝えてね」
リンダ先生は片手を挙げると、重たいお腹をポタポタ揺らしながら階段を下りて行った。