201号室の、オオカミくん☆


美術室の倉庫は絵の具臭く、なんだか酔ってしまいそうな臭いが立ち込めている。

鼻を摘まみながら、適当に絵の具を仕舞い、立て付けの悪い錆びたロッカーに蹴りを入れながらも残っている絵の具全てを片付けた。


「気持ち悪っ」


高そうな彫刻が並ぶ棚の上に、小さな窓があった。

いつぞやの皇汰の時みたいに、棚を登り、窓を開ける。


四角い切り取られた窓からは、茜色の空が写っている。




シャラン……



「?」

シャラン…… シャラン……


「鈴の音?」


窓の向こう。いや、上から。

屋上からだ。
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