201号室の、オオカミくん☆
これって光が言っていた幽霊の鈴の音?


シャラン……


シャラン……


やけにはっきりした音だ。


窓から上を見上げたら、壁と壁の間に空間がある。

二重の壁になっている内側に梯子がとりつけられていた。


美術室のベランダは、画材だらけで通り抜けできないから、誰も壁が二重だとは気づかない。

その証拠に、鈴の音の犯人は、古い机を脚立代わりにした形跡がある。


幽霊じゃなく、この場所を知ってる人だ。


そうだ。
屋上への抜け穴、此処だったんだ。

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