201号室の、オオカミくん☆
「その枝豆の枝みたいな鈴、渡り廊下から反射してたよ」
「枝豆!」
クスクスとお腹を抑えて笑う。
夜の空に溶けそうな白い肌の男の人は、繊細に笑っている。
「此処で何をしてるの? 同じ学年じゃないよね? 誰?」
疑問をぶちまけてみるとちょっと寂しげに微笑んだ。
「大好きな美術室の上で大嫌いな舞を練習しながら、自由に走り回る君を見てる」
ね?って笑う。
そんな風に笑われたら、どう答えていいのやら。
「あんたもたこ焼パン食べたいの?」
「え。毎日たこ焼パンの為に走ってるの?」
目を見開いて驚かれた。
なんかちょっと恥ずかしいじゃん。
「たまには違うパンも食べるよ。てか同い年? 学年は? 名前は?」
そう質問したら、数歩後ろに下がって口元に手を当てて考える。