201号室の、オオカミくん☆
光なら分かるかもしれないけど、あの猫みたいな奴をどう表現したら良いのか分からない。
屋上での事はそもそも秘密なんだし。
「……また会いに行くしかないのか」
「何を一人でぶつぶつ言ってるのよ。おはよう」
気づけば後ろに光がいた。
予鈴ギリギリに光が駆け込むなんて珍しい。
「おはよう。遅いな。彼氏か」
キシキシと笑いながら脇腹を頭突きするが、光は微動だにしない。
「ふん。羨ましいだろ」
髪を掻き上げながら余裕たっぷりで言われたので蹴った。
「本当に足癖の悪いやつだな」
チョップされて更に蹴りを入れようと足を振り上げたら予鈴が鳴る
。
「こらー! 桐原! 東堂! 鳴り終わる前に教室入らなきゃ遅刻だぞー」
「うげ」
教室からリンダが顔を出したので私たちは走った。