201号室の、オオカミくん☆


「セーフ」

「イエーイ」

私と光が勝利の舞を踊ろうと両手を高く上げたら、リンダが慌てて席を指差した。



「実習生が来てるんだから早く座りなさい!」


冷や汗だらだらのリンダの後ろに、黒スーツの女の人が微笑んでいる。



……実習なのだから化粧は地味なはずなのに。


薔薇色のぷっくりした唇。

長い睫毛に大きな瞳。

スカートじゃなくてパンツな辺りが、スタイルの良さを際立てている。


――いや違う。


胸の大きさを際立てている。




「あら。可愛い女の子……」

語尾を甘く伸ばすしゃべり方が艶かしい。

ぷるんと震えそうな弾力のある胸。


クラスの男たちも胸に視線がいっている。



「……なによ。あのスイカみたいな胸」


悔しそうに光が睨む。


「『あら、胸が可愛い女の子』って言ったのよ、あの女」
< 64 / 428 >

この作品をシェア

pagetop