201号室の、オオカミくん☆
それは多分、光の気持ちが生んだ妄想だとは思うけど。


声も可愛い、笑顔も素敵。

ちょっと男を弄んでそうな色気を地味な化粧で隠してそうな色気。

そしてあの巨乳。



……皇汰はこんな私と真逆の女が好きなんだ。

この人の為に校長とまで話し合ったんだ。


なんだよ!
中身が大事とかいうけど結局見た目じゃん!

いや、私は中身もオヤジだけどさ。


「光、あんたBよね」

「あんたもAよりのBよね」


Aよりとか言うな。

黒板に書かれていく岸六田 千景(きしむだ ちかげ)の字を眺めながら、光と堅い堅い握手を交わす。

岸六田先生が教室をキョロキョロ見回して苦笑した意味を私だけが理解していたとも知らずに。



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